カルシウムの有効性の臨床結果について。

カルシウムは、牛乳などの食品に多く含まれており、不足すると骨粗鬆症を招く恐れのあるとても大事なミネラルです。
また、骨を作るだけでなく、その他にも多くの有効性がわかっていますので、その一例を紹介します。

カルシウムの必要性

骨を作るミネラルとしてお馴染みのカルシウムは、吸収がとても悪いので不足しやすい栄養素です。このため、最近では、サプリメントを利用している人も増えています。

カルシウムは、これまでに様々な臨床試験を実施し、多くの有効性が示されています。
臨床試験は、実際に実験を行っての結果なので、非常に信頼性が高いデータです。
下記より、カルシウムの持つ有効性を紹介します。

下記文中の茶色の文字については、(独)国立健康・栄養研究所より引用しています。

循環器・呼吸器

妊娠中のカルシウム摂取は、とても重要なことがわかります。

低カルシウム血症に経口摂取で有効である。

高血圧に経口摂取で有効性が示唆されている。

腎疾患の末期において、血圧を減少させるのに経口摂取で有効性が示唆されている。

カルシウム摂取不足の女性の妊娠に伴う高血圧および子癇前症において、血圧を減少させるのに経口摂取で有効性が示唆されている。

子癇前症の予防にカルシウムの補給は有益である可能性が高い。

2006年3月までにコクランに登録された無作為化比較試験12報について検討したシステマティックレビューにおいて、妊婦のカルシウム1g/日以上の摂取は、高血圧、子癇前症のリスクを減少させ、妊産婦死亡もしくは深刻な疾病率を低下させたという報告がある。

低脂肪食との組み合わせで、軽度から中等度の高コレステロール血症に対して経口摂取で有効性が示唆されている。

虚血性発作の予防に経口摂取で有効性が示唆されている。

消化系・肝臓

カルシウムは、消化器官にも効果を発揮するようです。

制酸剤として炭酸カルシウムの経口摂取は有効である。

腸管バイパス手術に伴う直腸上皮の異常増殖や下痢の治療に経口摂取で有効性が示唆されている。

糖尿病・内分泌

近年増加傾向にある糖尿病の予防にも、効果を発揮するようです。

女性看護師83,779名(平均年齢46.0歳)を対象としたコホート研究(追跡期間20年)において、カルシウムの摂取量が多いほど糖尿病の発症率が低く、ビタミンDの摂取によって更に低下する傾向があるという報告がある。

生殖・泌尿器

生理前の不快な症状を軽減する働きがあるようです。

月経前症候群(PMS)の症状軽減に経口摂取がおそらく有効と思われる。

腎疾患において、リン酸との結合を目的に炭酸カルシウムおよび酢酸カルシウムの経口摂取は有効である。

慢性腎機能障害患者に付随する上皮小体亢進症を軽減するのに、炭酸カルシウムの経口摂取がおそらく有効と思われる。

免疫・がん・炎症

大腸がんにも効果があるようです。

大腸がん発症のリスクを低減させるのに経口摂取で有効性が示唆されている。

骨・筋肉

やはり、カルシウムは骨を作る上で重要であることがわかります。
骨粗鬆症の予防には、欠かすことが出来ません。

くる病・骨軟化症に対し経口摂取で有効である。

妊娠中のこむらがえりの予防に経口摂取で有効性が示唆されている。

閉経後の女性にみられる骨粗しょう症の予防に、また治療にはエストロゲン・カルシトニンなど他剤との併用で、経口摂取がおそらく有効と思われる 。

1966年1月から2007年1月を対象に、11種のデータベースで検索可能な無作為化比較試験29報について検討したメタ分析において、50歳以上の女性のカルシウムとビタミンDのサプリメント摂取は、骨折リスクと骨密度の低下を減少させたという報告がある。

経口摂取で、更年期前の40代の女性の骨量減少を予防するのにおそらく有効と思われる。

胎児の骨成長、骨密度の増加に対しては、母体がサプリメントを経口摂取することがおそらく有効と思われる。

閉経後の体重減少時における高回転骨代謝を抑制するのに有効性が示唆されている。

男性の骨粗しょう症の治療に経口摂取で有効性が示唆されている。

発育・成長

小さなお子さんにも、カルシウムが大事です。

思春期前の低カルシウム摂取の小児にサプリメントが有効である

その他

小児における歯のフッ素過剰を抑え、フッ素沈着を改善するのに、ビタミンCおよびDとの併用摂取が経口摂取で有効性が示唆されている。

欠乏により小児のくる病を引き起こす。

極度の欠乏により筋肉の痙攣が起きる。